進路指導

今日、産業構造や就業構造の変化、子ども・若者をとりまく環境の変化等、社会全体を通じた構造的問題が存在しています。このような状況の中、子どもたちには将来、社会的・職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現することが求められています。もちろん、若者個人のみの問題ではなく、社会を構成する各界が互いに役割を認識し、一体となり対応することが必要となっています。その中でも、学校におけるキャリア教育や職業教育が重要な役割を果たすことになります。
 ここでは、進路指導の概要、中学校卒業後の進路選択、新しく変わった愛知県公立高校の入試、3 年生での指導の流れを説明したいと思います。

進路指導について

将来は誰もが職業生活に進むことになります。どういう生き方をしたいのかといった観点から、自分のこれからの職業選択に向けた進路を考えていくことが大切です。中学校卒業後の進路先を考えることは、自分の人生を考えることでもあります。
 したがって、中学校では1年生から進路に関わる学習を行います。1年生では、「職業調べ」を行います。身近な人へのインタビューや、図書、インターネットなどを利用し、職業についての理解を深めます。2年生では自分なりの進路設計を立てます。実際の職場で行う「職業人体験」を通して勤労観や職業観を養います。3月には上級学校の先生方を招いての「進学説明会」を行います。そこで得た情報をもとに、本人の能力・適性・希望を大切にして、進路選択をさせたいと考えています。3年生では、上級学校で行われる「学校見学会」「体験入学」へ参加をしたり、「進路説明会」で中学校卒業後のさまざまな進路について学んだりしながら、自身の進路決定に向かっていきます。

(1)進路選択にあたっての基本的な姿勢
 中学校の段階で「自分の人生をいかに生きるか」を考えることは難しいことだと思います。しかし、自分の人生について考えることはとても大切なことです。将来の目標があって、その実現に向けての進路選択が望ましいのです。目的や情報を何も持たずに進学すると、自分の能力・適正・好みに合わず、科の変更や最悪の場合は退学ということになりかねません。また、単に合格可能というだけで進学すると、上級学校の学業を始めとする諸活動、あるいは学校生活自体に打ち込むことができず、学業不振や学校生活不適応に陥ってしまうこともあります。目先のことだけを考えるのではなく、あらゆる面から検討し、生涯の人生設計として大きくとらえるように指導していきたいと思います。
(2)進路選択をするときのポイント
 進路選択をするときは、以下の6 項目を大切にしてご家庭で本人と十分に話し合いをしていただくようにお願いしています。あくまでも中学校は進路選択にあたっての情報提供および助言者です。
  • 目先のことだけを考えないで、生涯の人生設計として大きくとらえる。
  • 自分の能力や適性にあわせて考える。
  • 両親や先生の意見・助言を謙虚に聞くとともに、冷静に判断する。
  • 社会情勢の変化を見きわめる。
  • 自分で進路情報を積極的に収集し、的確に判断する。
  • 希望進路に対して着実に努力する。
1.進路について真剣に考え、自分の生き方をしっかりと見定める。
・将来の目標、高校生活の過ごし方等を考える。
2.望ましい生活習慣を身につける。
・時間のけじめ(欠席・遅刻・早退)、身だしなみ(頭髪・服装)に注意する。
・礼儀・言葉づかいなど正しい態度に心がける。
3.学力をつける。
きちんと課題に取り組み、入試に向けた勉強に取り組む。
得意科目の伸長、不得意科目の克服など、効果的な学習を心がける。
やる気は待っていても出てこない。始めることで意欲的になれる。