最新更新日:2024/05/12
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「春休み」に想う(4)

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一年の振り返りの第4回です。

今日は「義務教育とお金」について考えてみたいと思います。

先日、学校HPに教育コンサルタントの大西貞憲さんのコラムが紹介されていました。リンク先のコラムは、ご覧になりましたか?
(義務教育はただ!? 3/25)


大西さんが書かれているように、「義務教育はタダだからお金を払う必要はない」「義務教育なんだから学校がなんとかしてくれる」と思っている保護者は多いと思います。

以前、先生にお聞きしたことがあります。
「先生、教科書は無料でもらえますけど、もし紛失した場合は、また無料でもらえるんですか?」
先生からは
「1冊目は無料ですが、2冊目からは実費を払ってもらいます」
という答えが返ってきました。
それを聞いて「そうか、なんでもかんでも無料じゃないんだ」と驚きました。

高校生のお子さんをお持ちの保護者の方はよくご存じだと思いますが、高校は義務教育ではないので、当然全て生徒側が負担します。
年度初めに教科書やワークブックなどの学習用品を購入しますが、1年生だと2〜3万円かかります。
これだけのものを無料で提供してもらえるのは、本当にありがたいことです。
言うまでもなく、これらは税金で賄われています。


また、子どもたちが大好きなおいしい給食。
給食費は保護者が負担していますが、これも税金で補助があるため「1食250円」の安価で済んでいます。
市からの補助は「1食234円」ですので、本来は「1食484円」かかっています。
これも高校生になると、全部自分で負担しなければなりません。
毎日の弁当作りの労力や食材費などを考えると、「安くて安心安全」な給食は本当にありがたいです。


学校にある様々な備品にも税金が使われています。
そして、それらの備品は「自分のもの」ではなく「学校のもの」で「みんなが使うもの」です。一時的に「貸してもらっているもの」なのです。
他人から借りたものは大切に使うのがルールですね。ですから、学校では子どもたちに「乱暴に扱わずに、大切に使いなさい」と指導するのです。
そんな備品を故意に破損するようなことがあれば、それは保護者が責任を取るべきではないでしょうか。
実際に学校でどのように対応されているのか詳しいことはわかりませんが、保護者はそういった責任を自覚するべきだと思います。


学校教育における保護者の費用の負担は「給食費」「学年費」「修学旅行など宿泊学習のための積立」などが主なものになります。
逆に言えば、それ以外の費用はすべて税金で賄われているのですね。この費用は、保護者が負担する金額の何十倍にもなるはずです。
私たちは「納税の義務」がありますから、納税しています。
だから子どもにたくさんの税金をかけてくれるのは当然と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、大西さんがブログに書かれているように、おそらく私たち保護者が納税した金額の何倍もの税金を我が子にかけてもらっていることになります。
保護者の納税額に関わらず、全員一律に等しく同じ教育が受けられる義務教育という制度は、本当にすばらしいものです。
子どもたちにはピンとこないかもしれませんが、せめて私たち保護者はこのことを心に留めておきたいですね。


昨春から、小牧市の小中学校では集金方法が変わりました。
それまでは学校の指定する金融機関に口座を作り、そこから口座振替される方式でしたが、今年度から自分で金融機関を選べるようになりました。
生活口座のような普段よく使う口座を指定できるようになったことで、毎月わざわざお金を入金する手間が省けて、とても便利になりましたし、入金忘れによる引き落とし不能も減りました。

しかしそれでもなお、集金の未納の件数は多いようです。
ご家庭によりいろいろ事情があるので、完全な「未納ゼロ」になるのは難しいのかもしれません。

未納の場合どうするか。
そのまま払わなくてかまわない、ということはもちろんありません。どうにかして支払ってもらえるように、学校側はいろいろな働きかけをします。

「そういうことは事務の人がやっているんでしょ?」と思っている保護者が多いと思いますが、実はそうではないのです。
実際には担任の先生や主任の先生などが保護者に連絡を取ったり、家庭訪問をしたりしています。
そういうことは授業がある日中はできませんから、どうしても授業後など勤務時間以外にやらざるをえないのです。

これはどう考えても、先生の仕事ではないでしょう、と思いませんか?
そういう本来の仕事以外のことに時間を取られて、本来の仕事にしわ寄せがくるのなら、それは結果的に子どもたちに影響が出ます。

どうか「自分一人くらい払わなくっても大丈夫だろう」とか「自分一人くらい少し遅れても大丈夫だろう」とは思わないで下さい。
小牧中のような大規模校では、そんな「自分一人くらい」がたくさん積ってしまうと膨大な量となってしまいます。


集金のことは、学校からは言いにくい話だと思います。
こういうことは今まであまりお話がなかったので、実態をご存じない保護者が多いと思います。
しかしこのことはぜひ保護者の皆さんに知っておいていただきたい、とずっと思っていましたので、一年の振り返りの中でお知らせすることにしました。


学校に子どもを預けている以上、保護者にも相応の責任があります。
保護者の皆さんの自覚と協力が不可欠です。
どうぞよろしくお願いします。

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小牧市立小牧中学校

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